今回の記事では「劇団に入って良かったか」について語ろうと思います。前回は劇団では何をするのかについて書きましたが、今回はそれも踏まえて実際に私が劇団に入って良かったと思っているのか、また、どこが良いと思ったのか、についてなるべく詳しく書いていこうと思います。
結論から話すのがベストですよね。ということで、結論から申し上げるのですが、私は劇団に入って良かったと思っています。後悔はしてません。その理由はたくさんありますが、特にこれ、という理由がいくつかあるので紹介しようと思います。

やはりこれに尽きます。私は劇団での活動がとっても楽しかったです。私が劇団に入るきっかけはテレビでやっていた番組に出てみたい、というベタなものなのですが、劇団で活動をしているうちに、それだけの理由じゃないということに気がつきました。もともと人前で何かを披露する、自分が何かをして、周りにいる人を楽しませる、そういうことが好きな人間だったので、その手段として「テレビ」を選んだのかも知れません。結局劇団現役の時はあまりテレビに出ることはなく、舞台とラジオが主な活動だったんですけどね笑。おそらくテレビではなく、前述しました通り芸を披露して楽しませることが一番の目的だったのだと思います。
ですし、最初はテレビだけが目的だったのですが、それ以外にも教材やラジオのお仕事、舞台演劇を通して、前述のようなテレビ以外の活動も楽しいと思うようになりましたし、むしろ今ではドラマの撮影よりも舞台演劇の方が好きですね。
そんな私にとっては夢みたいな場所でしたね。勿論劇団での活動を経て、披露すること、人を楽しませることをより好きになったとは思います。きっかけはともあれ、とにかく自己表現と人を楽しませる喜びを知れる場所ではある気がします。

これは最大の利点と言っていいと思います。仕事柄偉い大人と関わる機会が多く、礼儀はとにかく身につけさせられます。私は8歳頃に入団したのですが、その時期から礼儀は教わります。とにかく小さい頃から礼儀を教わるので、もう染みつくんですよね、礼儀だったり目上の方との話し方だったり。私が現役時代に一番驚いたことは、現場では「お疲れ様です」と言ってはいけない、ということですね。「お疲れ様です」という表現はどうしても上から目線感があるので、共演者の方や、制作陣の方々には、「お疲れ様です」ではなく、「ありがとうございました」と言うべきだと習いました。相手方に「お疲れ様です」と言われようとも、絶対にこちらは「ありがとうございました」なのです。
他にも様々な礼儀作法を教えていただきました。それは今でも役に立っています。また、大人の方々と話す機会がたくさんあったことでとにかく物怖じしなくなりましたね。とにかく、いろいろ貴重な経験をさせてもらったなと思います。

これも本当に良かったと思いました。個性豊かな人たち、というのも勿論ですが、やはり学校以外のコミュニティとしての機能が大きかったですね。学校で何か嫌なことがあっても劇団がある。そういう友達もたくさんいましたし、私もその1人でした。そしてとにかく学校では出会えないような人がたくさんいます。こういう言い方をするのはあまりよろしくないかもしれませんが、「学校では淘汰されるような逸材」が集まっています。所謂「普通」ではない人の集まりなんですよね。明確な普通の定義はないですが、要は今まで見たことない、会ったことない、そんな人たちに出会えてとても刺激的で楽しいです。私にはできないことを簡単にやってのける、私には到底思い付かないことをパッと思いつく。たびたび友達に尊敬の眼差しをむけていました。
そして、学校だけでは形成されない新たな価値観というのも自分の中で出来上がっていきます。私は正直学校というものにあまり良いイメージはなく、特に、異なることを悪とする風潮があるような気がして、それが苦手です。ですが、少なくとも私が所属していた劇団では、異なることが正義でした。お芝居が上手であることは勿論重要ですが、上手さよりも個性が重視されていた環境だった気がします。私はその環境に身を置いていたことで、自分とは違う人間を毛嫌いすることは愚か、むしろ面白いと思うようになりました。
さて、これまで劇団に入って良かった三つの理由について書いてきました。他にもたくさんの理由がありますが、このブログを書いていくうちにちょくちょく小出しで書いていこうかなと思います。次は、逆に劇団のあんまし良くなかったなーというところや、それらを踏まえて劇団に入るべきかについてお話しできればなと思っています。それでは。